Grow your YouTube views, likes and subscribers for free
Get Free YouTube Subscribers, Views and Likes

[4K] In Praise of Shadows in Japan 陰翳礼讃 / 日本

Follow
Yurara Sarara

陰翳礼讃は谷崎潤一郎氏による日本の美を伝える書籍です。
In Praise of Shadows by Junichiro Tanizaki (18861965)
https://en.wikipedia.org/wiki/In_Prai...
https://en.wikipedia.org/wiki/Jun%27i...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『まことにあの障子の裏に照り映えている逆光線の明りは、何と云う寒々とした、わびしい色をしていることか。庇をくゞり、廊下を通って、ようようそこまで辿り着いた庭の陽光は、もはや物を照らし出す力もなくなり、血の気も失せてしまったかのように、たゞ障子の紙の色を白々と際立たせているに過ぎない。
 私はしばしばあの障子の前に佇んで、明るいけれども少しも眩さの感じられない紙の面を視つめるのであるが、大きな伽藍建の座敷などでは、庭との距離が遠いためにいよいよ光線が薄められて、春夏秋冬、晴れた日も、曇った日も、朝も、昼も、夕も、殆どそのほのじろさに変化がない。そして縦繁たてしげの障子の桟の一とコマ毎に出来ている隈が、あたかも塵が溜ったように、永久に紙に沁み着いて動かないのかと訝あやしまれる。そう云う時、私はその夢のような明るさをいぶかりながら眼をしばゝく。何か眼の前にもやもやとかげろうものがあって、視力を鈍らせているように感ずる。それはそのほのじろい紙の反射が、床の間の濃い闇を追い払うには力が足らず、却って闇に弾ね返されながら、明暗の区別のつかぬ昏迷の世界を現じつゝあるからである。諸君はそう云う座敷へ這入った時に、その部屋のたゞようている光線が普通の光線とは違うような、それが特に有難味のある重ゝしいもののような気持ちがしたことはないであろうか。』
陰翳礼讃一部抜粋

陰翳礼讃 青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/001383...


Music by Yurara Sarara

posted by machflynb