0:05 はじめに
0:30 「大人の発達障害」と発達障害グレーゾーン
1:49 発達障害グレーゾーンとは目立つ特徴5つ
1:57 　①障害未満の特性
3:05 　②数は多いと推測
4:10 　③大人でわかる
5:23 　④福祉サポートはない
6:01 　⑤特性への取り組みと環境調整で対策
8:30 まとめ

「大人の発達障害」の認知度が高まるにつれ、発達障害未満の特性「発達障害グレーゾーン」の存在もまた注目され始めています。障害未満のため福祉サポートは困難ですが取り組みの余地は残っています。

「発達障害グレーゾーンとは目立つ特徴5つ」につき、精神科医が要点を約9.5分の動画にまとめています。
出演春日雄一郎精神科医、医療法人社団Heart　Station理事長

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はじめに
発達障害セルフチェックの一環として、今回は「発達障害グレーゾーンとは目立つ特徴5つ」について解説します。

「大人の発達障害」と発達障害グレーゾーン
近年、「大人の発達障害」が広く認知されるようになりました。その中で、障害と診断されるまでには至らない「グレーゾーン」についても注目が集まっています。発達障害は全く軽いものから重いものまで連続的に存在し、この連続体の中で診断基準に満たないが特性が強い状態を「グレーゾーン」と呼びます。

発達障害グレーゾーンとは目立つ特徴5つ
①障害未満の特性
発達障害グレーゾーンの人々は、ASD自閉症スペクトラム障害やADHD注意欠陥多動性障害の特性を持っていますが、診断基準を満たすほどではありません。例えば、ASDの特性としては相手の気持ちを理解するのが難しいことや、こだわりが強すぎてトラブルになることがあります。また、ADHDの特性としてはミスや遅刻が多い、片付けや時間管理が困難、失言などがあります。

②数は多いと推測
グレーゾーンに該当する人の数は、発達障害よりも多いと推測されます。発達障害の有病率はおよそ3%とされますが、グレーゾーンの人々はそれよりも多い可能性があります。知的障害と境界知能を例に挙げると、知的障害の有病率が2%であるのに対し、境界知能の人々は13%に達します。

③大人でわかる
発達障害グレーゾーンは、主に大人になってから気づかれることが多いです。学生時代には目立たないことが多いですが、社会に出て適応困難や二次障害うつ病などが発生した場合に、発達障害を疑われることがあります。

④福祉サポートはない
グレーゾーンは障害として認定されないため、福祉的なサポートを受けるのが難しいです。そのため、自分で対策を講じる必要があります。例外として、二次障害を合併した場合には、その障害に対するサポートを受けられることがあります。

⑤特性への取り組みと環境調整で対策
グレーゾーンの人々は、自分の特性を理解し、それに対する取り組みを行うことが重要です。また、環境調整も大切で、合わない環境を避け、合う環境を選ぶことが求められます。例えば、ADHDの人にとってはミスが許されない環境が合わないことが多いですが、ASDの人にとっては一つのことを深く追求する環境が適しています。

まとめ
発達障害グレーゾーンは、大人になるまで気づかれにくい特性を持ちながらも、生きづらさを感じる人々が該当します。福祉的なサポートを受けることは難しいですが、自分自身の特性を理解し、適切な環境を選ぶことで対策が可能です。特性への取り組みと環境調整を行うことで、生きやすさを追求することが大切です。

こころ診療所グループ医療法人社団Heart　Station
府中こころ診療所東京都府中市宮西町113三和ビル2階、☎0423197887)
こころ診療所吉祥寺駅前(東京都武蔵野市吉祥寺南町143ニューセンタービル階、☎0422265695)

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【解説者】
医療法人社団Heart　Station　理事長　府中こころ診療所院長　春日雄一郎
精神科医精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。