年月日。日光―宇都宮道路を出て中禅寺湖に向かうクルマのフロントガラスから、今まで見た事が無いような巨大な満月が突然現れました。その時は突然現れたので驚きましたが、後ほどもっと驚く不思議な事に出会うこととなります。
いつもと何か違う、鹿の群だらけのイロハ坂を上りトンネルを出て二荒橋を左折、日の出の時間はまだ遠く通常であれば闇に覆われ何も見えないはずですが、湖がはっきりと見えるのです。満月です。黄金色に輝く満月に照らされ今夜の中禅寺湖は神秘的です。
出航する為の準備を完了させ、船外機エンジンをスタート、歌ヶ浜の桟橋からボートを出して徐々に速度を上げた時、西の山の上、沈みかけている月が何故か私を呼ぶのです。呼ばれたような気がしただけだと思いますが、、、私は何の違和感も無くコースを変更、黄金色の巨大満月が沈みゆく山側に舵を切りました。当初想定していたプランでは、ボートハウス曲和田岸ヶ渕を探っていこうと思っていたのですが、何の疑問もなく満月の誘いに乗って、大日崎、松ケ崎方向にボートを走らせました。
東の空が明るくなってきた思ったら、その直後には、日の出です。神秘的な夜の気配は消え去り、透明な強い陽の光が山々に、湖面に差し込み、新緑の山、エメラルドグリーンの湖が鮮やかに浮かび上がります。不思議な事に今朝は釣り人は一人もいません。他の釣り船は無く、岸釣の人も見当たりません。
少し気温が上がると一斉に春ゼミのコーラスがスタート、蝉しぐれの下、気持ちよくフライを振ります。ボートをゆったりと微風に乗せ流しながらストリーマーを引いていると、いきなり大型犬にでも銜えられたかのような野性的な強い力でラインが一気に引き出され、ドラグを締める余裕もなくバッキングまで止まらず引き出していきます。
そして、15分後、ランデングネットに入っていたのは、黎明の時、この入り江に沈んでいった満月と同じ輝きを放つ黄金色のブラウントラウトでした。

大きなブラウントラウトなので携帯のネットでJGFAフライ日本記録を調べたら、確実にフライレングス日本記録ブラウントラウトになれるサイズなので、桟橋に戻り、計測、撮影をしました。
そしてリリースは、桟橋付近でも出来るのですが、このブラウンを釣り上げた、満月が沈む入り江にリリースしたいと思い、戻ってリリースしました。
その外にも、この日は不思議な出来事がいくつかありました。動画に入れ込んであるので良かったら見て下さい。大日崎の石仏の事、なぜあそこに鎮座しているのか等、ご存知の方がいましたらコメントで教えて下さい。

中禅寺湖でのフライフィッシングを先月から初めて、度目の釣行で何とか良い結果を出すことが出来ました。
JGFA日本記録の申請に必要な計測、撮影、書類記入に協力して頂いた、レークオカジンの皆様、ご協力ありがとうございました。
また記録申請にあたり色々とご丁寧に指導いただきましたJGFA事務局の皆様、ありがとうございました。
それと、素晴らしいストリーマーを制作して頂いた及川さんに感謝です。
それと、それと、黄金色の巨大ブラウンが待つ入り江に誘導してくれた、満月お月さま、無事釣り上げるまで見守っていてくれた大日崎の石仏さま、本当にありがとうございました。

日本記録の内容に関しましては、JGFA規定、フライフィッシング・レングス全長計測カテゴリーの日本記録に、2023年7月4日付でブラウントラウト日本記録として、認証、認定されたものです。

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