2024年9月29日、JR松山駅がついに高架化されます。その前日、9月28日をもって閉店するJフランクJR松山駅店に、私は初めて足を運びました。長い間存在していたその場所を、訪れることがなかった自分に少し後悔しながらも、一歩を踏み出しました。
赤いカーペットが敷かれた階段をゆっくりと上ると、まるで時間が止まったかのような静けさと温かみが漂う空間が広がっていました。お店の窓から見下ろすと、駅前のロータリーが広がり、まるで松山の街全体を優しく見守っているかのような風景が目に飛び込んできます。
「どうして、こんな素敵な場所にもっと早く来なかったのだろう」と、胸の奥に切ない気持ちが広がりました。長い間、多くの人々を見送ってきたこの場所も、もうすぐ消えてしまいます。閉店前の静けさと、駅前の景色が、これまでの思い出を一瞬にして語りかけてくるかのようでした。
その瞬間、ただの「場所」ではない、時の流れと人々の思いが交差する大切な空間であったことを深く感じました。