現代を舞台とした非ファンタジー漫画に対する「こんなのリアルじゃない」という読者からの声、そして「これは間違ってます」的な○○警察の声に、漫画家はどこまで向き合うべきなのか。
描いた側としては傷ついたり腹が立ったりすることも当然あると思いますが、そもそも漫画は全てがフィクションである以上、「読んだ人がある程度は作品世界に入り込めるものが描けた」と捉えていいかもしれません。
なぜなら、全然伝わらないもの・違うものに対しては、そういう意見はこないからです。指摘行為による自己満足の気持ちも強いかもしれませんが、惜しいと思う気持ちがあってこその指摘ともとれるないのでしょうか。
一方で、「そもそも世界観設定がガバガバであることへの意見」なのであれば、ある程度きちんと指摘として受け入れ、次につなげることも必要かもしれません。
難しいのは、本当の意味でのリアルをそのまま投影して描くと、特に「感情」の部分で破綻したキャラクターになってしまうこと。作品として成立するリアリティラインの上手なコントロールが、フィクションだからこそ要求されることになります。
ほんとすぎてもダメ、嘘すぎてもダメ、というエンタメの難しさに、ぜひ前向きに取り組んでみてください
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#漫画 #描き方 #テクニック #漫画家志望
【今回紹介させていただいたご投稿】
ラジオネームアッチョンブリ家 さん
ご質問内容
ごとう先生、よしきさん、こんにちはいつもタメになるお話ありがとうございます
以前の動画で能力バトルのリアリティについてお話されていましたが、逆に現代が舞台の非ファンタジー漫画におけるリアリティについて、お二人のご意見を伺いたいです。
というのも最近、アプリやSNSの読者コメントで「こんな展開リアルじゃない」、「こんな奴が実際にいたら発達障害」みたいなふうに、現実社会を漫画の世界に投影するようなコメントを目にすることが多々あります。
正直、私はそういったコメントを見る度モヤモヤイライラしてしまいます。
私自身も漫画を描いているので、読者からそういう反応をもらって沈んだ経験もありますが、それ以上に読者として楽しく読んでいた漫画のコメント欄にそういうコメントがあると、「この漫画の良さや作者の描きたいことを全く理解してない」と、はちゃめちゃに腹が立ちます。
一部の青年漫画のようにリアルさを売りにしてる漫画にそういうコメントがつくならわかるのですが、どう考えても漫画ならではの面白展開や個性的キャラ、なんならラブコメに対してもそんなコメントがついていることが理解できません。
どの漫画もその世界観に没入させるためのリアリティが必要なのはわかるのですが、リアルなままのキャラや展開を描いていたら漫画としての面白さが軽減すると思っています。
こういった一部の意見とどう向き合っていったらいいでしょうか また、作者として、こういった意見をどこまで気にして漫画制作をすべきでしょうか…
お客さんではない人が勝手に言っているだけなら気にする必要はないとは思うのですが、課金している購入者のコメントでもそんな声があるので戸惑っています。